瀬戸内の島めぐり(1): 高松,男木島

今年のシルバーウィークは、有給を使って瀬戸内海の島々を観光した。 瀬戸内の島には、地中美術館豊島美術館といった空間を贅沢に使った美術館があったり、瀬戸内国際芸術祭(瀬戸芸)というアートイベントが催されたりしていて、そういったことに興味のある皆様の集まるホットな観光スポットとなっている。

今回は瀬戸芸の会期ではなかったが、会期外でも沢山の作品が展示されていた。 展示以外にも、単純に島々を歩き回るだけで楽しめた。

2016-09-22

京都〜高松

京都からバスで高松へ。 出発2分前にギリギリで搭乗。 僕は乗り物酔いに弱いから前日に薬を買っておいたのだけど、コンビニに行く時間もなくて、志津屋で買ったクリームパンで無理やり飲み込んだ。

男木島

高松港から高速船「めおん」で男木島へ。 女木島、男木島をつなぐということで「めおん」。「ん」がどこから来たかは知らない。

到着したら「円」でご飯。 お米が独特な感じでおいしい。

灯台へ向かう。 道中には、よくわからないテンションで書かれた道標が置かれている。

灯台から街へ帰るのに、少し観光スポットも見ていこうと山の方へ歩いたのだけど、これが予想を遥かに上回る険しさで、途中マジで死を覚悟した。 サンダルで気軽に入っていい山ではなかった……

街に戻って作品鑑賞。

男木島は猫がおおいことでも有名。 街を歩くと、野良猫に餌をやるなとか、さくらねこ についての啓蒙ポスターが沢山貼られている。

豊玉姫神社からの眺め。 山幸彦と海幸彦のお話にでてくる豊玉姫の神社だそうな。 あと「男木島は龍宮城だった」みたいな話もあるらしく話題が豊富。

もしこの島に生まれてたらこの神社に入り浸ってただろうな、と思うような風景。

高松

高松のアーケードをあるく。

夕飯。 去年に引き続き、骨付鳥を食べる。 ライブハウスの隣にある店で、壁にいろんなバンドのポスターが張ってあってなんだか親しみやすい。

長くなったので続きは明日。

僕は家政婦だから家の棚を掃除している。ここは僕の部屋。亡くなった伯父の蔵書と地球儀、ミロのヴィーナスのミニチュア、箱根で買った組木細工など、過去に存在したものが僕の持つ本、生活用品と入り混じって積み重ねられている。部屋は薄暗く、ぴったり閉じたブラインドの隙間から漏れる光だけがあり、それなのに空気中にホコリを舞うのがよく見えるくらい、視界の減衰が遅い、新しい眼鏡をかけた時のよう。

ふと、目の前に緑色、烏色、薄いオレンジのかたまりが現れる。 天井まである棚の茶色を背に、生きているはずのない海の生物が、ぶよぶよした膜につつまれて、薄く光っている。 魚が二匹と、エビ、クラゲ。どこか見覚えのある外見をした生物たちだ。

視界の左上に一等まぶしい塊が浮かぶ。タツノオトシゴ。こいつら、この部屋の絨毯に描かれている生物だ。 現実には僕の部屋にカーペットなんて無いしこんな生物に覚えはないが、とにかくそういう実感がある。

絨毯から目を離すと彼らは消えていた。

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書棚にある百科事典から以下の情報を得た。

  • 夏の日陰で発生する
  • 白くて蒸発する光で絵が焼けるとき、絵の中の生物が浮かび上がる
  • 炎昼は夏の季語

それはとても嬉しい情景なので、なんとかしてまた見たい、と試行錯誤をする。 外をより暑い天気にしてみたり、ブラインドの角度を変えたりしてみるも、なかなか上手く行かない。 夏休みが終わり、諦めて会社へ向かう。

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本当の僕のオフィスは7Fだけど夢では20Fくらいで、窓から見える風景は高く、あと他のビルとの間隔が常に揺れ動いていて、遠くには津波が見える。今日は風が強い。 同僚に方法を聞いてまわるが、だれもまだ絨毯の現象に出くわしたことが無いという。

喉が痛くて薬がほしくなる。うちの会社に給湯室はないが、今回は給湯室に薬箱があるというので取りに行く。 箱はいつも使っている無色プラスチックの、上下2層にわかれていて、だいたい上の層にロキソニンが入っているその場所に、分厚く折りたたまれた手紙が挟まっている。 それは僕にあてた手紙だった。知らない誰かが、現象をもう一度みるためのアドバイスを書いてくれたのだった!

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そこで目がさめた。

タツノオトシゴを見る方法はもう忘れてしまって、わからない。